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心の時空

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楢山節考(1958年と1983年)  シネマの世界<第34話>

映画「楢山節考」は、25年の歳月を空け二人の名映画監督が、メガホンを取り撮影されました。
a0212807_22161442.jpg「楢山節考」は、山奥の貧しい村で、食料もなく飢えをしのぐために、家族の口減らしをする村の掟「姥捨て」が、テーマです。
老いた母を息子が背負い、山の険しい細道を登り、山深い姥捨て場まで送りとどけるシーンをタテ軸に、人間原始の営みである「生と性」をヨコ軸にして映画の物語は展開していきます。
1958年の木下恵介監督作品「楢山節考」では、田中絹代が主演し老婆おりんを名演しました。
子供の頃に見た記憶では‥田中絹代演じる哀れな老婆の姿しかなく、映画を見たというより小劇場で舞台を見たような印象でした。
木下恵介監督は、美術といい音楽(長唄・浄瑠璃)といい舞台のような演出と撮影をしていたことが、ずっと後になって分かり、私の子供のころの印象が外れていなかったことに安心しました。
a0212807_22165270.jpgその子供心の強烈な記憶から、リアリズム映画の名監督今村昌平が撮る映画「楢山節考(1983)」では、どんなリアリズムの演出をするのか楽しみにしていました。
老婆おりん役を坂本スミ子が主演し、老婆おりん役のために前歯4本を抜いて今村リアリズムの演出に応えたそうですから見事な役者魂です。
老母を背負い険しい山道を歩きながら、姥捨てに苦悩する息子を緒形拳が、名演していました。
今村昌平監督の「楢山節考」は、カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞しました。
二本の映画「楢山節考」とも、出演した男優・女優が名優ぞろいで見応えある質の高い映画でした。
余談ながら、原作者の深沢七郎(1914~1987享年73才)は、ギタリストでした。
歓楽街を流しながら書いた「楢山節考」は、第一回中央公論新人賞を受賞しました。
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自分の葬儀には、生前大ファンであったエルヴィス・プレスリーとローリング・ストーンズの曲をバックに自分の声で録音した「般若心経」のテープを流すよう遺言していたそうです。
ロックンロールを聴きながらの成仏で渾身の大往生であったろうと思います。
by blues_rock | 2011-11-29 00:04 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)