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心の時空

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a day in my life

東京から九州へ‥迷った末のコミック本

a0212807_2259814.jpg転勤に伴う転居も慣れていましたが、いざ引越しとなると、どこに住んでいても、いつも寂しくなりました。
引越しの荷造りを始め、ダンボールに荷物を詰めていると、もう何年も何十年も使わなかった物や読まなかった本を発見します。
転居先が狭いのを知りながら捨てる気持ちになれず、冷静な判断も煩わしく、以前の引越しでダンボールに入れたままの荷物も増えました。
2年8か月前の引越し(‥9回目の転居)も、東京での何かと便利な生活から離れる寂しさに併せ、いつもの煩わしさはありましたが、故郷の九州で30数年ぶりに暮らす浦島太郎のような好奇心に期待も膨らみました。
a0212807_235489.jpg今回の東京から九州へ還る引越しは、できるだけ身の回りの荷物(衣類・日用品・本類・趣味の類い)は処分し身軽になり、新しい暮らしを始めることにしました。
とくに、趣味の道具や自分の好きなものは、引越し準備の度に思い悩み、捨て難く、持ち続けてきましたので、思い切って捨て去り、身軽で還えると決めました。
食器・日用品・衣類や小物類・家電品などは、環境NPO「エコメッセ」へお願いし、本類はBOOKOFFに引き取ってもらい、古道具類は知合いの方に差しあげました。
最期まで迷ったのは、若い頃に愛読していたコミック本でした。
白土三平(1932~)・真崎守(1941~)・ジョージ 秋山(1943~)のコミック本は、いつの引越しも捨てがたく‥漫画(または劇画)と呼ぶにはあまりに主題が、シリアスで画も上手く、上質すぎるコミックでした。
白土三平は、1964年「カムイ伝」を発表するために伝説の月刊誌「ガロ」を創刊、「忍者武芸帳影丸伝」・「サスケ」・「カムイ外伝」などの傑作を発表しました。
物語の舞台は江戸時代、主人公のカムイは、抑圧差別された部落(非人)の出身で抜け忍でした。
同じ抑圧差別されながら、部落民(非人)と百姓たちは、対立していました。
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百姓たちのリーダーは、正助(下人)ですが、カムイの姉ナナ(非人)の夫でもありました。
さらに支配階級の武士ながら階級制度に疑問を持ち、人間として苦悩する竜之進が加わり、三人の若者がもつ三者三様の価値観(部落問題・唯物史観・唯物論)をコミックで見事に画いています。
a0212807_23144896.gif真崎守もシャープな画の描写で新鮮でした。
1969年「はみだし野郎の子守唄」・1969年「ジロがゆく」(三部作)で1971年講談社出版文化賞を受賞、やはり真崎守の名作「ジロがゆく」は捨てがたく持っておくことにしました。
「ゆきをんな」(1975)も情感溢れる秀作コミックでした。
ジョージ 秋山の1970年「アシュラ」・「銭ゲバ」も人間の残忍さと強欲さという本質を見事に画き出した傑作でした。
1973年から連載の始まった「浮流雲」は、単行本(既刊86巻)でずっと揃えて来ましたが、途中40数巻で止めてしまいました。
‥それでも手放し難くずっと持ってきましたが、それも今回の引越しで全部知合いの方に差しあげました。
ラ・ヴィ・サン・ヴァ‥人生は過ぎ行く、と身軽にしました。
by blues_rock | 2011-11-26 22:35 | 画集/本(Book) | Comments(0)