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心の時空

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a day in my life

棟(むね)上げ‥もちまき

私の子供のころまで、日本人の伝統的な暮らしの中心は「衣・食・住」にありました。
とくに、大家族が住まう家を建てることは、一家の長にとって一大事業でした。
家の中心にあり一番大切な柱のことを「大黒柱」と言いますが、家族の中心となる一家の主のことを「大黒柱」と呼ぶのは、そこに由来しています。
子供のころ「衣食足りて礼節を知る」と、大黒柱から教育され、服装身なりや立ち振る舞い、食事の仕方、お箸(はし)の持ち方まで厳しく躾(しつ)けられたものです。
子供に「箸(はし)の上げ下ろし作法」まで厳しく躾(しつ)けることが、大黒柱の大切な役割でした。
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核家族化した家庭のマイホームは、鉄筋コンクリートビルのマンション・団地なので、家に柱はなく、生涯ローンで手に入れた建売住宅も工場で製造された組み立てユニット工法なので柱要らず‥住まう家の構造に「大黒柱」は、もはやありません。
そして、いつの間にか家族の中の「大黒柱」もいなくなりました。
家族の大黒柱を喪失した日本人の暮らしの中に「礼節」は希薄で、「躾け」も死語になりました。
私自身の「礼節」も怪しいものなので、「礼節」という言葉を口にすると内心忸怩(じくじ)たる思いで恥ずかしくなりますが、「礼節」を人間としてのマナー、「躾け」を社会人としてのルールと置き換えると分かりやすいでしょう。
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さて、話題は変わりますが、私の働く高齢者在宅介護事業所のデイサービス(通所介護)だけでは、高齢者の在宅介護を支援することは難しいので、福岡市が公募する地域に密着した「小規模多機能型居宅介護事業」に応募したら幸運にも採択されました。
市の複雑な申請書類の審査をパスし着工、施設建物の基礎工事も終わった頃、地域の方々にも参加していただき一緒に上棟式をしようということになり、昔懐かしい“もちまき”を行ないました。
地域の方々に上棟式(棟上げ=もちまき)のお知らせをしたところ、家族連れで大勢の子供たちが集まってくれました。
“もちまき”は、紅白のもち・赤い紐を結えた五円硬貨・お菓子袋などを棟上げした屋根の端から下で待つ地域の方々や子供たちへ投げる儀式(セレモニー)です。
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両手を差し上げ「早く!早く!」と大騒ぎの子供たち、「こっち!こっち!」と手の平を広げて待つ大人たちで大賑わいのイベントでした。
私の子供のころ、村(集落)には、各家の結婚式・葬式などの催事をお互い支え合う結(ゆい)という共同体があり、村で普請(ふしん、新築)の上棟式には、必ず“もちまき”のイベントがありました。
幼いころ空から落ちて来るもちを大人たちの間でもみくちゃになりながら、大人が拾い損ねた泥だらけのもちを必死で拾ったものでした。
今回新しい施設の棟上げで屋根に上がり“もちまき”をしながら、下で待つ子供たちの中に幼い頃の自分の姿を見たように思います。
by blues_rock | 2011-11-06 09:31 | 柏原生活/博多叙景 | Comments(0)