麦の穂をゆらす風 シネマの世界<第26話>
文化都市を自称自賛する首都東京ですら2館だけ‥文化都市って一体何なのでしょうか。
映画は、アイルランド民謡「麦の穂をゆらす風」にのって展開されます。
1920年代のアイルランドが舞台‥イギリスの圧政下で自由と独立のために抵抗運動に身を投じ、多くの仲間と友達を失う兄弟の物語です。
抵抗運動に興味のなかった医者の弟も抵抗運動のリーダーで尊敬する兄の影響を受けレジスタンスに参加します。
イギリスの手先である地主に脅迫されて、仲間を裏切り密告した幼馴染みを自ら処刑し号泣する弟の切なさが、胸を打ちます。
アイルランド独立運動に多くの同朋同志が犠牲となり、自治政府は樹立されました。
自治と自由独立のためにアイルランド自治政府は、支配者であったイギリスから多くの苦渋に満ちた妥協を迫られます。
老練狡猾なイギリス(大英帝国)と不平等な平和条を締結せざるをえなくなり、祖国アイルランドは北と南に分割統治され、独立した途端に内戦に向かうアイルランド共和国‥レジスタンスの仲間や友達の苦悩と悲しみ‥そしてアイルランド共和国自治政府に抵抗し反乱する弟、自由と独立のためにイギリスと妥協し反対派を弾圧する兄、弟にレジスタンスのアジトを教えよと拷問し、そして処刑する兄、拷問され処刑される弟‥現在まで続くアイルランド内戦の80年前の現実がありました。
U2(ボーノ)の北アイルランドへの強い愛国心は、そんな歴史にあると思います。
DVDがありますのでぜひ一度ご覧ください、推薦いたします。