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心の時空

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キャピタリズム~マネーは踊る  シネマの世界<第25話>

いまニューヨークのウォール街で、金融富裕層への市民抗議デモが、続いています。
不景気で失業率が高く、仕事がないこと(無収入)にイラ立つ市民の怒りは、ウォール街に向けられています。
そんな光景を見て、マイケル・ムーア監督(1954~)の2009年映画「キャピタリズム~マネーは踊る」を思い出しました。
ムーア監督は、2002年の映画「ボウリンク゜・フォー・コロンバイン」でアメリカの銃社会を皮肉たっぷりに告発し2004年の映画「華氏911」では、当時の天敵であったアメリカ合衆国大統領ブッシュをネタに、彼の偏狭な傲慢さと単細胞の能無しぶりを映像演出で徹底的にからかい痛烈に政治批判しました。
ムーア監督の理不尽な社会と不正な権力に対する反骨・反戦の精神には、心底性根が座っています。
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今回の敵(標的)は、イカサマな市場原理主義を‘錦の御旗’のごとく振りかざし、サギ金融でアメリカ経済と世界経済を不況のどん底に陥れた‥強欲なキャピタリズム(資本主義)の象徴ウォール街でした。
サブプライム問題で金融パニックを引き起こし、未曾有の世界経済恐慌(世界同時不況)の発端となったルールとモラルのないニセの自由主義経済を辛辣に糾弾しています。
2008年夏、アメリカでサブプライム・ローンが崩壊、住宅市場価格の大暴落により9月15日リーマン・ブラザーズ投資銀行が倒産、他のメガバンクも青息吐息の倒産寸前となりました。
マイケル・ムーア監督は、ウォール街のメガバンクや証券会社へアポなし突撃取材を行いその突入の様子を撮影し映画にしました。
映画は、冒頭からアメリカ市場原理主義経済の実態である社会的弱者搾取の現実を映し出しています。
a0212807_0253743.jpg映画全体から溢れ出るマイケル・ムーア監督の怒りのホコ先は、世界同時不況の元凶で巨額の公的資金(税金)を使いながら納税者である大量の労働者を失業に追い込んだ投資銀行・生命保険会社・証券会社に向けられウォール街へ「金返せ!」とデモ行進を行います。
カトリック教徒でもある彼は、大衆に影響力をもつ神父たちに「資本主義(キャピタリズム)は邪悪であり、神の教えに反している」と映画カメラの前で公言させます。
2時間にも及ぶ超辛口のアメリカ社会批判のドキュメンタリー映画から、アメリカ建国の基本精神である「自由・平等・博愛」の国家原則は、断固守るという彼の気概(価値観)が映画からヒシヒシと伝わってきました。
サウンドトラックの音楽センスも良くイギー・ポップのパンクロック「ルイ・ルイ」で始まりウッディ・ガスリーのフォークソング「ジーザス・クライスト」で終わります。
中でも50年代から70年代にかけて世界万国労働者の国際連帯のシンボル・ソング(プロレタリアートの聖歌)であった「ザ・インターナショナル」をジャズヴォーカルで聴かせてくれたセンスに、感激しました。
映画の全編に挿入される古き良き時代の映像もユーモアに溢れており、堅っ苦しい金融・経済のテーマながら私たち民衆に身近な社会問題としてスムーズに受け入れられるよう創意工夫されていました。
by blues_rock | 2011-10-22 20:30 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)