ブログトップ | ログイン

心の時空

yansue.exblog.jp

a day in my life

石田徹也の世界

a0212807_2327451.jpg石田徹也(1973~2005)は、わずか31才で夭折した現代の天才画家でした。
芸術(絵を描くこと)が、魂を表現するものなら石田徹也は、正しく本物の芸術家でした。
31才で亡くなった彼が遺した作品の質と量を考えると、寸暇を惜しんで絵を描くだけで駆け抜けた人生であったろうと石田徹也の展覧会を見て感じました。
彼の作品には大作が多く、そのほとんどを電車の踏切事故で亡くなるまでの10年間に描いています。
当時の絵を見ると衝動的な自殺も考えられます。
両親は、息子の突然の悲報と彼が遺した作品の数の多さに全部写真に撮り終えたら廃棄処分されるつもりだったようですが、遺作展での反響のあまりの大きさに驚かれ静岡県立美術館に作品を寄贈されました。
絵に描かれているのは、彼の自分の心‥徹底的に自分と向き合う彼自身が、そこにありました。
絵の中に描かれている青年の顔が、どれも石田徹也本人とよく似ていることから自画像と思われることに対し、生前本人は、きっぱりとそれを否定しています。
彼には、絵に描かれている人物が、自分であるか他人であるかはどうでも良いこと、人間と物質とが合体(一体化)した人物に自分を重ね合わせ、自分の精神世界や暮らす社会風景を見ていたのかもしれません。
どの絵の人物も、皆どことなく空虚な目をしていて、顔の表情は哀しく憂いがあり、見る者を切なくさせます。
絵に悲痛・憂愁は描かれていても、憂鬱はありません。
a0212807_2330541.jpg
絵に空虚・孤独はあっても、絶望はなく失望さえもありません。
彼の心が、感じていたものは‥虚無ではなく、空虚な風景でした。
彼の魂が、見ていたものは‥寂寥や悲観ではなく、孤独な人間社会でした。
アルバイトで得た収入で、画材とカップ麺を買い、抑えきれない創作意欲に急き立てられるように絵を描いていたとか、母親の援助にも「自分がダメになるから」と断ったそうです。
a0212807_23303483.jpg
美しさのカケラもないつまらない絵画や醜悪で粗大ゴミのような彫刻が、氾濫する現代美術にあって、石田徹也の描いたオリジナリティ溢れる個性的な絵は、芸術とは何かを黙示してくれています。
彼自身は、そんな芸術とは何かなどにまるで関心はなく、ただ絵を描き続けることで自分の魂に平穏を与えていたのかもしれません。 (参考 : 石田徹也の心象風景
彼の絵にサインはありません。
a0212807_23312148.gif
板や紙、キャンバスにアクリルで描いた作品にブレはなく、彼の描いた絵には石田徹也独自の世界と空気感があり、彼にしか表現できない世界とこの空気感こそが、彼のサインであると思います。
石田徹也作品紹介の公式HPをご参考に貼付いたしますので、興味ある方はこちらをご覧ください。
by blues_rock | 2011-10-18 21:41 | 美術/絵画/彫刻 | Comments(0)