CAFÉ DE LOS MAESTROS シネマの世界<第21話>
アルゼンチンタンゴは、1940年から1950年代にかけてブエノス・アイレスで黄金期を迎え、多くのタンゴ音楽家が活躍していました。
私は、舞踊(ダンス)としてのタンゴも好きで、歯ギレのよいリズムと哀愁感あふれるメロディに合わせて踊る‘男と女’の官能的なダンスは、さながら恋人たちのラブシーンのようで‥いつもどきどきして見ています。
高校生のころ隣りに住む叔父が、大切にしていたステレオとラテン音楽のレコード(LP盤)を留守中に無断で借りて繰り返し聴いていました。
私にとって初めてのタンゴは、そのころ聴いた「ラ・クンパルシータ」でした。
その後「アルフレッド・ハウゼ」や「アストル・ピアソラ」など熱心に聴きました。
余談ですが、アルゼンチン・フォルクローレの「アタワルパ・ユパンキ」もいいですね。
さて映画は、2006年ブエノス・アイレスで、タンゴの名曲アルバム「CAFÉ DE LOS MAESTROS」を録音するためにアルゼンチン・タンゴのマエストロたちが集められ、収録する様子を撮影したドキュメンタリーです。
彼らはタンゴの黄金時代を築き、政情不安な激動のアルゼンチンで50年60年とタンゴの演奏を続けてきたマエストロたちです。
カメラは、お互いの再会を子供のように喜びはしゃぐ老人たちの様子や練習風景を映像に収めています。
収録の最後に、彼らは世界三大劇場の一つといわれているコロン劇場で一夜限りのタンゴ・コンサートを行いました。
アルゼンチンの宝と呼ばれる高齢のマエストロたちが集まり、同じステージで演奏することはもう二度とない歴史的コンサートでした。
映像より音楽(タンゴ)を楽しむ映画です。