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心の時空

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a day in my life

トロッコ  シネマの世界<第20話>

a0212807_18125629.jpg休日は、空調が効いた快適な映画館でゆっくり映画を見るに限ります。
20代には、一日7本の映画を見たこともありますが、もうそんな気力と体力はなく週末に見たい映画を選んで楽しみながら見るようにしています。
先日は、「トロッコ」を見ました。
映画「トロッコ」は、芥川龍之介の短編小説「トロッコ」を原作に、川口浩史監督(1970~)と台湾の侯孝賢監督(ホウ・シャオシェン 1946~)が、共同で脚本を書き映画の舞台を日本から台湾の山あいに移して映画を撮った川口浩史監督のデビュー作品です。
私は、この映画を見るまで川口浩史監督の名を知りませんでした。
篠田正浩監督など名監督の助監督を長年経験しているので素質十分、この映画「トロッコ」は監督としての初メガホンですが、良質な作品でした。
撮影は、侯孝賢監督の盟友にして名撮影監督の李屏賓(リー・ピンビン 1954~)が、担当しています。
映画のストーリーは、国境・時代・世代を超えた家族がテーマです。
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シナリオも良く、昔の手押しトロッコを映画表現の道具として上手く使い、出演者たち(私の知らない俳優たちばかりでした)の演技も見事でした。
台湾人の祖父母、日本人の若い母親と二人の息子(幼い兄弟)‥台湾人の父親は、遺灰として登場しますが、義弟や山に木を植え守る老人と手伝う若者、そして村人たちなど脇役の演技も実に自然で、どこか懐かしい日本の原風景を見る思いでした。
映画は、豊かになったはずのいまの日本が、どこか殺伐としていて、いつも何かに追わる毎日の暮らしの中で忘れてしまった家族の絆(母と子)と、遠く離れていても家族の幸せを思う心(台湾の祖父母と義弟)を軸にストーリーは展開します。
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川口浩史監督は、日本と台湾との歴史関係も背景に入れ冷静に演出しています。
自然豊かな台湾山あいでの家族の暮らしを澄んだ空気感に包んだ映像も美しく「鉄塔 武蔵野線(1997)」・「山の郵便配達(1999)」・「故郷の香り(2005)」などの秀作映画を見た時の清々しい感動がありました。
by blues_rock | 2011-09-29 20:15 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)