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初期伊万里・古伊万里・古鍋島‥九州陶磁文化館

九州陶磁文化館は、佐賀県西松浦郡有田町にある佐賀県立の有田古窯の陶磁美術館です。
愛知県陶磁資料館(愛知県瀬戸市)とならび古陶磁器の資料館(古陶磁のコレクション)として有名です。
古陶の名品・逸品コレクションなら東京の五島美術館・畠山美術館・根津美術館がすばらしく、日本・中国の古窯陶片の収集では、出光美術館(東京)にかなう美術館はありません。
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九州陶磁文化館の地下室には、初期伊万里・古伊万里・古鍋島陶磁の1万数百点におよぶ柴田コレクションから常時数千点が展示されており、実に見ごとです。
初期伊万里・古伊万里・古鍋島どの作品もすばらしく見応えがあります。
イギリス大英博物館にも5百数十点の柴田コレクションがあるとのことなので、ぜひ一度見てみたいものです。
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有田窯の始まりは、16世紀の終わり日本に渡来した朝鮮陶工の李参平が、有田で良質の陶土を発見し初期伊万里・古伊万里を焼いたのが始まりでした。
初期伊万里・古伊万里・古鍋島が、古陶にあって“茶の湯”と無縁なのは「利休茶の湯のわび・さび・ものがれ」から遠くにあり、磁肌の釉があまりに艶っぽく美しすぎるからでしょうか。
有田なのに伊万里と称される由来は、江戸時代に有田窯で焼かれた陶磁器を有田に近い伊万里港からヨーロッパ向けに積み出していたからです。
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余談ながら当時ヨーロッパで高価に取引された日本の陶磁器が、海路による遠距離輸送で破壊しないよう包装材(クッション)として和紙を利用し、陶磁器を大事に梱包していました。
その陶磁器を包んだ和紙こそが「浮世絵」でした。
当時のヨーッロパの人々は、歌麿・写楽・北斎・広重などの美しい浮世絵が、輸出用の陶磁器を包む包装紙として使用されていたのですから、びっくり仰天しました。
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現在の私たちが、壊れ物を新聞紙で包みダンボール箱に入れる感覚で、浮世絵を包装紙に利用し茶箱に入れてヨーロッパへ運んでいたわけですから、当時の日本人の生活にさぞ驚いたことでしょう。
浮世絵は、やがて日本様式ジャポニスムのシンボルとしてヨーロッパを席巻し、ゴッホ・ゴーギャン・マネ・モネなど近代絵画に影響を与え、エミール・ガレなどアールヌーボー様式の美術工芸にも大きな影響を与えました。
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そんな日本とヨーロッパの美術史を思いながら九州陶磁文化館の初期伊万里・古伊万里・古鍋島を見ていると感慨深いものがあります。
九州陶磁文化館は、初期伊万里・古伊万里・古鍋島に興味のある方にとって必見の価値がある美術館です。
by blues_rock | 2011-09-21 20:20 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)