初期伊万里・古伊万里・古鍋島‥九州陶磁文化館
愛知県陶磁資料館(愛知県瀬戸市)とならび古陶磁器の資料館(古陶磁のコレクション)として有名です。
古陶の名品・逸品コレクションなら東京の五島美術館・畠山美術館・根津美術館がすばらしく、日本・中国の古窯陶片の収集では、出光美術館(東京)にかなう美術館はありません。
初期伊万里・古伊万里・古鍋島どの作品もすばらしく見応えがあります。
イギリス大英博物館にも5百数十点の柴田コレクションがあるとのことなので、ぜひ一度見てみたいものです。
初期伊万里・古伊万里・古鍋島が、古陶にあって“茶の湯”と無縁なのは「利休茶の湯のわび・さび・ものがれ」から遠くにあり、磁肌の釉があまりに艶っぽく美しすぎるからでしょうか。
有田なのに伊万里と称される由来は、江戸時代に有田窯で焼かれた陶磁器を有田に近い伊万里港からヨーロッパ向けに積み出していたからです。
その陶磁器を包んだ和紙こそが「浮世絵」でした。
当時のヨーッロパの人々は、歌麿・写楽・北斎・広重などの美しい浮世絵が、輸出用の陶磁器を包む包装紙として使用されていたのですから、びっくり仰天しました。
浮世絵は、やがて日本様式ジャポニスムのシンボルとしてヨーロッパを席巻し、ゴッホ・ゴーギャン・マネ・モネなど近代絵画に影響を与え、エミール・ガレなどアールヌーボー様式の美術工芸にも大きな影響を与えました。
九州陶磁文化館は、初期伊万里・古伊万里・古鍋島に興味のある方にとって必見の価値がある美術館です。