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心の時空

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a day in my life

未来を生きる君たちへ  シネマの世界<第9話>

現在博多のKBCシネマで上映中のデンマーク映画です。
スサンネ・ビア監督(1960~51才)の最新作(制作デンマーク=スウェーデン)で、スサンネ・ビア監督作品を見るのは、これが初めてですが、相当の才能と思いました。
スサンネ・ビア監督といい「海洋天堂」のシュエ・シャオルー監督といい、このところ映画の世界に女性のすぐれた才能を発見します。
デンマーク上映の映画ポスターには「復讐」というタイトルになっています。
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英語のポスターでは「In a Better World(より良い世界の中で)」とあり、日本語のタイトル(邦題)では「未来を生きる君たちへ」と訳されています。
それぞれの言語圏におけるこの映画のタイトルにも社会性、文化レベルが表れていて興味深いと思いました。
この映画は、原題のとおり怒りや憎しみから来る「復讐」がメインテーマながら同時にその対極にある怒りや憎しみを「赦(ゆる)す勇気」もメッセージとして送られています。
人間本来のダークサイドである暴力や憎しみが、無知・貧困・偏狂・傲慢・臆病に満ちた社会や世界で集団の間で疫病のように伝染していくと憎悪からくる暴力という負のエネルギーが暴走していきます。
映画「未来を生きる君たちへ」は、デンマークの地域社会とアフリカの紛争地帯(難民キャンプ)が、物語の舞台となります。
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母を病気で亡くした転校生の少年クリスチャン(写真右)と学校でイジメに遭っている少年エリアス(写真中央右)の出会いが、次第に事件を誘発し、彼らを「復讐」の深淵に追いやっていきます。
人間が予測できない事態・事件に直面した時、映画の登場人物たち‥子供も大人も個々の本性を露わにしていきました。
スサンネ・ビア監督は、それをリアルに撮ることで、この映画を見る側の本性にも迫っていきます。
今年のアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞で「最優秀外国語映画賞」を受賞したのが納得できる秀作でした。
私は、この映画「復讐(原題)」を見て「人の弱さを克服できるのは、希望を信じることのできる人の心だけだ」というスサンネ・ビア監督のメッセージを確かに受け取りました。
by blues_rock | 2011-08-27 00:47 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)