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心の時空

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a day in my life

初恋のきた道  シネマの世界<第7話>

1999年の中国映画で、チャン・イーモウ監督、ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞しています。
主人公の恋する少女を映画初出演のチャン・ツィイーが実に瑞々しく、魅力的に演じていて感動しました。
チャン・イーモウ監督の映画演出が見事で、現実をモノクロで過去(の懐い出)をカラーで映像表現し、主題の初恋の美しさが、見る人の心に深く印象に残ります。
<ストーリー>a0212807_1421545.jpg
中国の辺境な小さな極寒の村に、突然の事故で亡くなった父の訃報を聞いて都会に住む一人息子の青年が帰って来ました。
嘆き悲しみ泣き続ける母は、町の病院にある父の遺体を、中国の昔の風習どおり村人に背負ってもらい、町から村へ続く長い一本の道を一緒に連れて帰るのだと困惑する息子に強く懇願しました。
真冬なのでムリだとの息子の説得にも‥母は、父が自分と知り合う前に歩いて来た道を一緒に帰るのだと頑として耳を貸しません。
父を終生慕い続けた母には、強い初恋の記憶(懐い出)がありました。
(ここまでモノクロ、ここから一転カラー映像に‥)
純粋な初恋の物語、中国辺境の地の美しい風景とチャン・ツィイー演じる18才の少女の表情豊かな演技が、すばらしいと思いました。
純粋でまっすぐな恋心をもつ少女、走るたびに揺れる三つ編みや厚地の綿入れ上着とモンペ姿がたまらなくキュートなツィイーの姿と、はにかんだ笑顔が可愛くて忘れられません。
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都会から来た青年(父)に一目惚れした少女(母)の初恋、彼の姿を見たい一心で待ち伏せしたり、手作りの弁当を食べてもらうため毎回一生懸命料理を作り(料理で恋を告白する少女に胸キュン)、赤が似合うと褒められると、赤い服ばかり着てみたり‥健気な少女の恋する想いがスクリーンから伝わってきて、無垢な気持ちの強さを感じさせた映画でした。
a0212807_1492062.jpg映画の中で少女が、取り落として壊した磁器碗(大ぶりな茶碗)を巡回の修理屋に修繕してもらうシーンも印象に残りました。
映画のストーリーにあまり関係ないシーンでしたが、割れた磁器の破片を鎹(かすがい)で丁寧に継いでいく職人技をチャン・イーモウ監督は、ゆっくり見せてくれました。
チャン・イーモウ監督は、このシーンを中国の近代化で失われた伝統工芸の職人技(匠)へのオマジュにしたのだろうと思いました。
by blues_rock | 2011-08-21 14:14 | 映画(シネマの世界) | Comments(0)