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心の時空

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金継ぎ

漆工芸(陶芸)用語で、ヒビ・ワレ・カケなど壊れた陶磁器を修理する技術(の総称)を意味しています。
「金継ぎ」とは、壊れた道具に新たな生命を与えて、道具としてまた使えるよう補修する仕事・趣味のことで、金(青金)や銀(錫・梨子地)継ぎ、赤漆・黒漆だけのシンプルなもの、金の蒔絵を施した華麗なものまであります。
「金継ぎ」の技法には、壊れた陶磁器‥割れ・欠け・ヒビ・ニュウのある陶磁器を糊漆(のりうるし)や錆漆(さびうるし)で繕うものと「呼継ぎ」と呼ばれる陶片で欠けた部分を補う技術があります。
a0212807_16355559.gif完成までの作業は、「金継ぎ」の下地が、できたら、呂色漆を塗り、乾燥したら砥ぎ成らすを何度か繰り返し、下地が、きれい整ったら、赤漆を塗り、金(の粉)を蒔いて、乾燥させ、生正味漆(拭き漆)を塗り、すぐにふき取り乾燥したら最後に磨き粉できれいに磨き上げて、作品が、一つできあがりです。
その間早くても,1か月あまり‥漆を「塗り/乾かし/磨ぐ」という一つの工程に、それぞれ1週間くらい必要なので、焦りは、禁物です。
古来より、茶人・趣味人(数寄者)は、自分の愛用した貴重な道具が、壊れると、金継ぎ職人に依頼し、再生させて愛でつくすほど執着してきました。
大切な道具への先人の恐るべき愛着と執念、またその美的センスに驚くとともに恐れ入ります。
古陶には、優れた金継ぎ作品があります。
◇ まず「馬蝗絆(ばこうはん)」 国立東京博物館所蔵、重要文化財、中国南宋の龍泉窯の青磁の名品~室町時代の将軍足利義政所有の青磁茶碗にヒビが、入ったので、中国の龍泉窯に送り、これと同じものを送って欲しいと所望するも、これ以上の青磁茶碗は、ないとヒビを鎹(かすがい)で修理し送り返されてきました。
この鎹を蝗(いなご)が、馬にとまっている景色に見立て、茶の湯の席でその風情を楽しみました。
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詳しくは、東京国立博物館(こちら) ◇ 青磁茶碗(せいじちゃわん)‥銘 馬蝗絆(ばこうはん) をご覧ください。
◇ 大井戸茶碗「十文字」 古田織部の破格の美意識が分かる逸品~大振りな大井戸茶碗を嗜好に合うよう十文字に割り一回り小振りし漆で接いだ大井戸茶碗です。
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◇ 「五十三次」 古志野の呼び継ぎ 筒茶碗、すばらしい芸術作品です。
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◇ 古伊賀名物水指「破袋」 五島美術館所蔵、重要文化財~古田織部は書状に‥誠に威厳があり力強い、大割れも大割れで窯の中でよくぞ崩れなかったものだ、今後またと出まいとその破格ぶり絶賛しています。
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◇ 伊賀水指「慾袋」 川喜田半泥子(1878-1963)作~「破袋」に感動、それに倣い自ら伊賀水指を作陶し見事な蒔絵金継ぎに仕上げました。
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(付録) 「金継ぎ工芸」(こちら)のほうも参考にしていただけると光栄です。
by blues_rock | 2011-06-08 00:08 | 金継ぎ/古美術/漆芸 | Comments(0)