ホタル(蛍)
自宅から車で15分くらい走った山道沿いに、ホタルの群生する渓流があり、漆黒の暗闇の中でホタルの美しい群舞を見ることができました。
清流のせせらぎと河鹿(カジカ)の楚々とした鳴き声に聴きいりながら、ホタルの淡い光をぼんやり眺めしばらく幽玄の世界に浸りました。
突然目の前に一匹のホタルが、ふわりふわりと舞うように現れました。
そおっと手を伸ばすと手のひらに留まりました。
ホタルは、私の手のひらで蛍の光を点滅‥逃げる気配を見せません。
ホタルを見ながら走馬灯のように子供の頃を懐い出しました。
蝶々の季節には蝶々を、トンボやヤンマが、飛翔する頃はトンボやヤンマを、夏は蝉やカブトムシを、大きな虫カゴいっぱいに捕まえてきては、寝転んで眺めていました。
自然の中で正にただ懸命に生きている昆虫たち、小さな動物たちのありのままを眺めているのは、心地よいもの‥そんな気持ちにさせてくれた今夜のホタルたちに感謝します。