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心の時空

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a day in my life

白洲正子考‥筑紫里子さん(歌人)からの手紙

いまたくさん買い込んだ白洲正子さんの本を少しずつゆっくり読んでいます。
10数冊のうちやっと2冊目です。
毎日数ページ数行ずつ読んでいます。
読む時間は、朝目が覚めてすぐだったり夜寝る前だったり、深夜に目覚めた時だったりします。
いつもは本屋から帰るとあれこれ買った本を手当りしだいに喰らいつくように読み散らすのが私の癖でしたが、今回ばかりは少し違います。
美しい玉を撫でるような、美味しいワインを惜しんで少しだけ飲むような、気に入った小物を一人ひそかに手にして楽しみむような、そんな感じです。
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まだ白洲正子さんをよく知ったとは言えませんが、こういう方に本を通じて出会ったことがしみじみと嬉しく思い誰にともなく感謝しています。
何度も言うようですが、2冊目の本を読んだばかりだから白洲正子さんの生きかたや考え方思想・価値観などが分かったというのは、恥ずかしいし厚かましい不遜さを思います。
それでも私は私なりに感動しています。
昼間の仕事に疲れ、夜遅く日課のジョギングに出てシャワーを浴びているとそうするうちに自分の時間はどんどんなくなりますが、焦り慌てることもありません。
一日の全てが終わって、やっと本を手にすると昼間の疲れもあってその頃は読みたいと眠たいとが混ざり合い、数行読むとうっとり瞼が蕩けてしまいます。
それでもいい、一生かかって読めばいい本と思っています。
いま生きていることが良かったと生きていくことはどういうことか理屈でなく押し付けられたものでもなく、わがこの身に染み入って来る感じを味わいます。
乾布に水滴が落ちたときの感じを自らに感じています。
それにしても白洲正子さんという方は、人生というものを絶対肯定され、それはビクとも揺るぎがなく生きているのは当たり前のことなのです。
ご自分自身の人生のことは言わずもがなですが、白洲正子さんに出会い白洲さんと交流した方たちのお一人お一人の人生に対しても大切にされ愛情深い目で見ておられます。
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人間には好きな人もいれば相性の良くない人もいますが、白洲さんはご自分と交わった方の世間の評価には関係なく、ご自身の目で見られ相対してその人となりを知りお付き合いをされ世間の賛辞や評価・美醜とは別のところで交流しておられます。
骨董を観る目と同じものなのでしょうか。
精神の根底に肯定という確固たる大きい川が流れ人間賛歌を太く低いトーンで静かに語りかけてくる文章です。
埋もれた才能や壮絶な歴史の渦のなかに消えた人の哀しみやその美しさを称えそこに生きて人生を送った事実を掬い上げています。
白洲正子さんは「遊鬼」の中で早川幾忠氏の死を悼んで「彼らが教えたのは命ある限り生きることだった。生を楽しむことであった」と書いておられます。
白洲正子さんは、私に人生の歩み方終わり方を教えてくださいます。
どの箇所も肯定的で‥それでいいんですよ‥地道に美しく真面目に精一杯生きればいいんですよ‥それより他に人生になにがありますかと教えてくださいます。
精一杯生きられればそれでいいんだと確かにずっしりと思うこの頃です。
by blues_rock | 2011-06-06 22:23 | 時空序章(Preface) | Comments(0)