陶土(つち)を捏ね ロクロを回し、焼成した自作の 鉄釉平茶碗を粗相して真っ二つに割り、ならばと タイミング良く、奄美でいただいた夜光貝の貝殻が、あるので その貝殻を焼いて、煮て、砕いて 薄貝を剥がし、大・中・小・
塵片・粉に分け、それを平茶碗に蒔いて夜光貝螺鈿の金継ぎにしました。
螺鈿の材料は、漆工芸店からサイトで各種取り寄せるできる時代にあって 注文したほうが、手早く 薄貝も上質な
ことくらい分っては、いますが、好奇心から 夜光貝の真珠層の薄貝を剥がし、薄貝片・微塵片・貝粉の 自作に挑戦しました。
夜光貝の硬さや 幾重にも重なる薄貝(真珠層)の神秘的な煌めきを見ると 薄貝の粉も捨てられなくなります。
この平茶碗は、作陶から金継ぎまで、オール自作による 夜光貝の螺鈿金継ぎならぬ「貝継ぎ平茶碗」です。
今や、金継ぎ用の本金 1㌘ 2万円の時代にあって、それに比べ 1個千円くらい(たぶんそれ以下と推察)の 夜光貝から作った 薄貝微塵片や 貝粉なら ‘てんこ盛り’の
夜光貝 螺鈿金継ぎならぬ 「貝継ぎ」が、できるでしょう。